2016年1月3日日曜日

劇場というゆりかご~「為三さん!」千秋楽で思ったこと

新年、明けましておめでとうございます。
本年もご愛顧のほどよろしくお願いします。

さて、本日は2016年の仕事はじめ。
地元の厄払いの集合写真を撮影し、その足でわらび座の「為三さん!」千秋楽へと駆けつけた。

※終演後のわらび劇場、まさに祭りのあと

「為三さん!」については、一言では語りつくせぬほどの思い入れがあるのだけれど、その自分の思いを差っ引いて考えても、地方で作る演劇の魅力が凝縮された舞台だと思う。
この舞台に出会ったことで、再び演劇とのつながりが生まれ、かつて演劇人だったころにお世話になった方々との再会もかなった。何より、演劇の可能性が持つ豊かさについて、かつてとは違う側面で気づくことができた。

印象的だったのは、終演後のロビーの様子。
リピーターと思しき方々がたくさんいて、それぞれが「為三さん!」との思い出を反芻しているようだった。
舞台作品というのは、人間ドラマを生み出すにはちょっと期間が短い。小劇場で2週間以上も上演したら、公演期間としては長い部類に入るだろう。
しかし、「為三さん!」の公演期間は10カ月、上演回数は200回弱に及ぶ。
この10カ月という上演期間の長さが、多くのドラマを生み、それぞれの中で熟成させていくことができたのだろう。
劇場って、舞台の上はもちろん、それぞれのお客さんのドラマを紡いでいくゆりかごのような場所なんだと、今更ながらに気づかされた。


この風景を、10年前、舞台制作やってたころの自分に見せてあげたいと思った。

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